本記事ではこんな疑問にお答えする為、VIG、DGRWの2つについて徹底比較しました
VIG、DGRWはどちらも米国の連続増配ETF(上場投資信託)です。
VIGは米国の10年以上連続で増配する銘柄で構成されていて、連続増配にフォーカスしたETFです。
それに対しDGRWは配当の成長性にフォーカスした銘柄で構成されたETFです。
VIGとDGRWはどちら増配を重視している為似ている点が多く、どちらが良いか迷っている方も多いのではないでしょうか?
そういった疑問に対し、今回の記事ではVIGとDGRWを徹底的に比較した上で、結局みなさんにはどちらがおすすめかについても、投資目的別に紹介します。
当ブログは、米国連続増配株に特化して情報発信しています。
米国連続増配株は、「安定して増えていく配当金(インカムゲイン)」も、「株価の上昇(キャピタルゲイン)」もどちらも狙える可能性に満ちています。
「VIG」、「DGRW」それぞれ個別の情報についても詳しくまとめていますので、合わせてご確認下さい。
結論:[2024年最新]徹底比較:VIG×DGRW(投資目的別でどちらがおすすめ?)
まず最初に本記事でわかる結論からご紹介します。
VIGは米国の10年以上連続で増配する銘柄で構成されていて、連続増配にフォーカスしたETFです。
それに対しDGRWは配当の成長性にフォーカスした銘柄で構成されたETFです。
どちらも増配を重視していて似ている点が多いですが、少しずつ異なる特徴があります。
とにかく経費率を安く抑えたいならVIGがおすすめですが、増配率、トータルリターンを重視したい方には、現時点ではDGRWがおすすめできます。
さらに、毎月分配金が支払われるという点もDGRWの特徴です。
また、VIG、DGRWは新NISAの成長投資枠でも購入可能です。(つみたて投資枠は対象外)
では基本情報から比較していきましょう。
VIG×DGRWの基本情報の比較
VIG、DGRWの基本的な情報は下記です。
ティッカー(正式名称) | VIG(バンガード・米国増配株式ETF) | DGRW(ウィズダムツリー 米国株クオリティ配当成長ファンド) |
運用会社 | Vanguard社 | WISDOM TREE社 |
ベンチマーク | S&P USディビデンド・グロワーズ・インデックス | ウィズダムツリー米国株クオリティ配当成長インデックス |
構成銘柄数 | 340銘柄※1 | 299銘柄※3 |
ファンド純資産 | 789.9億ドル※1 | 127.0 億ドル※3 |
配当(分配) 時期 | 年4回(3/6/9/12月) | 毎月 |
株価 | 176.91ドル※2 | 76.65ドル※4 |
配当(分配金) 利回り | 1.84%※2 | 1.63%※4 |
経費率 | 0.06% | 0.28% |
設定日 | 2006年4月21日 | 2013年5月22日 |
では主要なポイントについて一つずつ比較していきましょう。
運用会社の比較
ティッカー(正式名称) | VIG(バンガード・米国増配株式ETF) | DGRW(ウィズダムツリー 米国株クオリティ配当成長ファンド) |
運用会社 | Vanguard社 | WISDOM TREE社 |
VIGを運用する「Vanguard社」は資産総額で世界1、2を争う大手運用会社で、設立は1975年で歴史もあり、さらにその運用資産は2022年時点で約8.1兆ドルもあります。
それに対してDGRWを運用する「WISDOM TREE社」は、設立は2006年でまだ歴史も浅く、運用資産は2024年時点で約995億ドルです。
2社を比較すると、やはり「Vanguard社」の安定感、安心感は一つのポイントになります。
ベンチマークの比較
ティッカー(正式名称) | VIG(バンガード・米国増配株式ETF) | DGRW(ウィズダムツリー 米国株クオリティ配当成長ファンド) |
ベンチマーク | S&P USディビデンド・グロワーズ・インデックス | ウィズダムツリー米国株クオリティ配当成長インデックス |
VIGは「NASDAQ USディビデンド・アチーバーズ・セレクト・インデックス」をベンチマークとしていて、10年以上連続して増配の実績を持つ米国普通株で構成されています。
それに対してDGRWは「ウィズダムツリー米国株クオリティ配当成長インデックス」をベンチマークとしていて、配当の成長性が期待できる、利益の成長性も重視した大型企業で構成されています。
構成銘柄数の比較
どちらも300銘柄近くの銘柄数で構成していて、分散は十分で、差は無いと考えられます。
配当(分配)時期
VIGは年4回の四半期毎の分配金支払いなのに対して、DGRWは毎月分配となっています。
例えば収支の管理をわかりやすくする為に、配当金を毎月受け取りたいという方には大きなポイントになるかと思います。
配当利回りの比較
どちらも2%弱程度の利回りであまり差は無く、高い水準ではありません。
経費率の比較
経費率はVIGの安さに軍配が上がります。
DGRWも一般的に見て決して高い数値ではありませんが、VIGと比べてしまうと割高になります。
毎月分配を実施していることなども影響しているのかもしれません。
例えばDGRW、VIGそれぞれに100万円ずつ投資していたとすると
- DGRWの経費率の支払い:約2800円/年
- VIGの経費率の支払い:約600円/年
この差が毎年続くことになります。
設定日の比較
DGRWに対してVIGは歴史が長く、リーマンショック、コロナショックの2回の暴落を経験しているデータがあるということはポイントになります。
今回のコロナショックでは下落幅に大きな差は見られませんでしたが、別の暴落になるとどうなるかはわからないためです。
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基本的な違いはわかったけど、肝心の配当(分配)についてもっと詳しく知りたい!
では続いて配当(分配)利回り、増配率の推移を比較します。
VIG、DGRWの配当(分配)金の比較
ここではVIG、DGRWの
- 配当(分配)利回り
- 配当(分配)増配率
- 配当(分配)金の過去推移
について、それぞれ重ね合わせたグラフで比較していきます。
※ETFや投資信託などの配当金のことは「分配金」と呼ばれています。
配当(分配)利回り
VIG、DGRWのこれまでの年間配当(分配)利回りの数値及び推移です。
※配当利回り = 年間配当(分配) ÷ 年末株価 で計算しています
- 利回りはどちらも約1.5~2.5%で同水準
配当(分配)増配率
VIG、DGRWのこれまでの年間増配率の数値及び推移です。
- 年毎の変動はDGRWの方が大きめ
- 2015年以降の期間での年平均増配率はDGRW:+10.0%、VIG:+8.3%
配当(分配)金の推移
DGRW、VIGのこれまでの年間分配金の推移です。(増配を考慮)
※青:VIG、緑:DGRW
- VIGは順調に右肩上がり、DGRWはややバラツキあり
- 分配金額は一時VIGが上回るが、基本的にはDGRW>VIG
利回りにはほとんど差がないんだね
配当金だけじゃなくて、株価も合わせるとどうなるの??
では配当再投資込みのトータルリターンを比較しましょう
トータルリターンの比較
ここでは
- VIG、DGRWのトータルリターンの比較
- S&P500とVIG、DGRWのトータルリターンの比較
について紹介します。
VIG、DGRWのトータルリターンの比較
VIG、DGRWのトータルリターンの推移を比較しました。
DGRW設定後の2014年から2024年4月末までの期間で、配当再投資込みでの比較です。
- DGRWの方がVIGよりトータルリターンでやや上回る
S&P500、VIG、DGRWのトータルリターンの比較
S&P500に連動するETFであるSPYとVIG、DGRWのトータルリターンの推移を比較しました。
DGRW設定後の2014年から2024年4月末までの期間で、配当再投資込みでの比較です。
- DGRWとS&P500はほぼ同等、VIGはやや下回る
トータルリターンだとDGRWの方が上なんだね!
こんな違いが生まれるのは、中身の違いが影響しているのかな??
そうですね、構成銘柄の違いも影響しています。
では続いて構成銘柄を比較しましょう
VIG、DGRWの構成銘柄の比較
VIG、DGRWを構成する銘柄の内、構成比率上位10銘柄を比較します。(2024.3.31時点)
VIG | DGRW |
---|---|
マイクロソフト(MSFT) | マイクロソフト(MSFT) |
アップル(AAPL) | アップル(AAPL) |
ブロードコム(AVGO) | アッヴィ(ABBV) |
JPモルガン・チェース(JPM) | ブロードコム(AVGO) |
エクソンモービル(XOM) | ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ) |
ユナイテッドヘルス・グループ(UNH) | ホーム・デポ(HD) |
ビザ(V) | プロクター・アンド・ギャンブル(PG) |
マスターカード(MA) | エヌビディア(NVDA) |
ホーム・デポ(HD) | コカ・コーラ(KO) |
プロクター・アンド・ギャンブル(PG) | ペプシコ(PEP) |
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上位10銘柄は結構似てるね!
でもこれだけだとよくわからない。。。
では構成セクター比率で比較してみましょう
VIG、DGRWの構成セクター比率の比較
VIG、DGRWを構成するセクター比率を比較します。
下記のグラフは、縦軸に2つ共同じ順番でセクターを並べ、比率を示しています。
(VIG、DGRWともに2024.3.31時点)
- DGRWはVIGに対して情報技術の比率がさらに高い
それぞれの構成比率が高いセクターの将来性をどう考えるかが、どのETFを選ぶかの重要なポイントになりますね
詳しくわかったけど、結局私はどれを買ったらいいの??
おすすめを教えて!!
では投資目的別のおすすめ銘柄をご紹介します
投資目的別のおすすめ銘柄はどっち?
まずはこれまでの結果を一覧にまとめます。
ティッカー | VIG | DGRW |
分散(構成銘柄数) | 〇 | 〇 |
経費率 | ◎ | △ |
配当(分配)利回り | △ | △ |
増配率の高さ | 〇 | ◎ |
不況耐性 | 〇 | 〇 |
トータルリターン | 〇 | ◎ |
どちらもバランスが良いETFなので、大きな欠点は見当たりません。
ただ、2つを比較した際に少しずつ優劣がつくので、そのポイントをご紹介します。
どちらがみなさんの投資目的に沿っているかを見極めることが重要です
ということで、各投資目的別のおすすめ銘柄をご紹介します。
とにかく経費率を安くしたい方
とにかく経費率を安くしたい方には「VIG」がおすすめできます。
VIGの0.06%と比較すると、DGRWの経費率0.28%は少しですが割高です。(経費率等の基本情報の比較はこちら)
「無駄なお金は少しでも払いたくない!!」という方には経費率が非常に低いVIGはおすすめできます。
ただしDGRWの経費率も他の1%程度あるアクティブファンドなどと比べると決して高すぎる水準ではないので、他の要素も含めてトータルで判断することが重要だと思います。
毎月分配金がほしい方
毎月分配金がほしい方には「DGRW」がおすすめできます。(VIG、DGRWの配当金支払いタイミングはこちら)
配当(分配)金を受け取る目的は人それぞれですが、四半期毎の受け取りよりも毎月受け取った方が、生活費に使う目的でも配当再投資する目的でも使いやすいという方は多いかと思います。
ただしDGRWの毎月支払われる分配金は年間を通じて毎月同じ額が支払われるわけではなく、月ごとにバラバラである点には注意が必要です。
構成する銘柄の配当支払い月が影響しているものだと考えられます。
増配率を重視したい方
増配率を重視したい方には「DGRW」がおすすめできます。
前述の通り、2015年以降の期間での年平均増配率はDGRW:+10.0%、VIG:+8.3%で、DGRWが高いという実績を示しています。(増配率の推移の比較はこちら)
ただし、
- 年毎の変動はDGRWの方が大きい
- DGRWは歴史が浅い為、実績データが少ない。今後もこの増配率が続くかは注視が必要
こういった点には注意が必要です。
トータルリターンを重視したい方
トータルリターンを重視したい方には現時点では「DGRW」がおすすめできます。
前述の通り、DGRW設定後の2014年からのトータルリターンの比較ではDGRWの方が高い結果を示しています。(トータルリターンの比較はこちら)
ただし現時点ではそこまで大きな差ではなく、値動きの仕方も近いため、今後も値動きを見ていく必要があります。
よくわかった!自分に合う方を買ってみるね!
でもVIGとDGRWはどうやって買えばいいの?
ではVIG、DGRWの買い方を紹介します
VIG、DGRWの買い方
VIG、DGRWを買う手順は以下の流れです。
VIG、DGRWを購入する為には、まずVIG、DGRWを扱っている証券口座を開設する必要があります。
また外国株なので、口座開設時に外国株式口座も同時に申し込んでおきましょう。
あとは入金、買い付け注文をするだけで簡単に購入できます。
ただし口座開設は窓口では行わず、手数料が低いネット証券がおすすめです。
VIG、DGRWが購入できるおすすめのネット証券
VIG、DGRWを取り扱っている中でも、おすすめのネット証券会社は、以下のとおりです。
SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 | |
取引 手数料 | 約定代金の0.495% (最低0円、上限22ドル) | 約定代金の0.495% (最低0円、上限22ドル) | 約定代金の0.495% (最低0円、上限22ドル) |
為替 手数料 | 買付:0銭 売却:0銭 | 買付:0銭 売却:0銭 | 買付:0銭 売却:25銭 |
米国取扱銘柄数 | 約5,600銘柄 | 約4,900銘柄 | 約5,000銘柄 |
特定口座/ NISA口座 | 〇 対応 | 〇 対応 | 〇 対応 |
取引ツールの使いやすさ | シンプルでわかりやすい取引画面 | シンプルでわかりやすい取引画面 | 玄人好みで豊富な機能の取引画面 |
口座開設 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
3社共にVIG、DGRWだけではなく、数多くの米国株を取り扱っています。
また、取引手数料には差は無く、どれも低い水準です。
さらに、為替手数料はどれも買付時は手数料0銭で、SBI証券、楽天証券は売却時も含めて0銭の設定でコストを抑えることが可能です。
ただし、マネックス証券は情報量が多く、「銘柄スカウター」という機能でしっかりと情報を確認して銘柄選定をすることが可能です。
各証券口座の比較は以下の記事で詳しく紹介しています。
VIG、DGRWは新NISAでも買える
VIGとDGRWは新NISAの成長投資枠でも購入できます。
なお、つみたて投資枠ではVIG、DGRWは購入できません。
つみたて投資枠は原則として投資信託商品を対象としていて、海外ETFは投資対象に含まれていないからです。
まとめ
本記事では、
- VIG、DGRWの基本情報はどう違うの?
- VIG、DGRWの配当金(利回り、増配率)は?
- VIG、DGRWのトータルリターンは?
- VIG、DGRWの構成銘柄の違いは?
- VIG、DGRWの構成セクター比率は?
- 投資目的別のおすすめ銘柄はどっち?
- VIG、DGRWはどうやって買えばいいの?
について解説しました。
VIGは米国の10年以上連続で増配する銘柄で構成されていて、連続増配にフォーカスしたETFです。
それに対しDGRWは配当の成長性にフォーカスした銘柄で構成されたETFです。
どちらも増配を重視していて似ている点が多いですが、少しずつ異なる特徴があります。
とにかく経費率を安く抑えたいならVIGがおすすめですが、増配率、トータルリターンを重視したい方には、現時点ではDGRWがおすすめできます。
さらに、毎月分配金が支払われるという点もDGRWの特徴です。
また、VIG、DGRWは新NISAの成長投資枠でも購入可能です。(つみたて投資枠は対象外)
皆さんの投資目的に合った銘柄選定に、少しでも参考になれば嬉しいです。
最後までご覧頂きありがとうございました!
「VIG」、「DGRW」それぞれ個別の情報についても詳しくまとめていますので、合わせてご確認下さい。
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