
高配当株ETFって、VYMとSPYDとHDVがあるけど、何がどう違うの?

私に合っているのはどれかな??

本記事ではこんな疑問にお答えする為、VYM、SPYD、HDVの3つについて徹底比較しました
- VYM、SPYD、HDVの基本情報の比較
- VYM、SPYD、HDVの配当(分配)利回り、増配率の推移の比較
- VYM、SPYD、HDVのトータルリターンの比較
- VYM、SPYD、HDVの構成セクター比率の比較
- 投資目的別のおすすめ銘柄はどれ?
「VYM」、「SPYD」、「HDV」それぞれ個別の情報についても詳しくまとめていますので、合わせてご確認下さい👇
私は2019年から米国株投資を実践しているブロガーです。
愛する米国連続増配・高配当株をメインに資産運用中です。
配当王、配当貴族といった米国の連続増配銘柄を以下の記事でまとめています。
良ければ参考にしてみて下さい。
結論:[徹底比較]米国高配当ETF VYM/SPYD/HDV:投資目的別のおすすめも紹介
まず最初に本記事でわかる結論からご紹介します。
<VYM、SPYD、HDVの基本情報の比較>
- 分散度の高さ、配当(分配)利回り、ETF設定日に差がある
<VYM、SPYD、HDVの配当(分配)利回り、増配率の推移の比較>
- 分配利回り:SPYD>HDV>VYM
- 増配率:安定性はVYMが優秀
<VYM、SPYD、HDVのトータルリターンの比較>
- トータルリターン:直近の結果はVYM>HDV>SPYDの結果
<VYM、SPYD、HDVの構成セクター比率の比較>
- SPYDは不動産比率が多く、生活必需品、ヘルスケアが少ない ⇒HDV、VYMは逆
<おすすめ銘柄はどれ?>
- それぞれ一長一短があるため、どの銘柄を選ぶかは投資目的次第
3つのETFはそれぞれ特徴、強み、弱みが異なります。
配当(分配)利回りならSPYDが一番ですが、増配率の安定性、トータルリターンではVYMが一番等、万人に対してどのETFが良いということは言えません。
さらに構成するセクター比率も異なる為、迷うなら3つ共購入し、相互補完、分散させることが良いのではと考えています。
では基本情報から比較していきましょう。
VYM/SPYD/HDVの基本情報の比較
VYM、SPYD、HDVの基本的な情報は下記です。
ティッカー(正式名称) | VYM(バンガード・米国高配当株式ETF) | SPYD(SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF) | HDV(iシェアーズ コア米国高配当株 ETF) |
運用会社 | Vanguard | STATE STREET | BLACK ROCK |
ベンチマーク | FTSE ハイディビデンド・イールド指数 | S&P 500 高配当 | モーニングスター配当フォーカス指数 |
構成銘柄数 | 約462銘柄 | 約80銘柄 | 約75銘柄 |
ファンド純資産 | 506.2億ドル※1 | 約68.8億ドル※1 | 約107.0億ドル※2 |
配当時期 | 年4回(3/6/9/12月) | 年4回(3/6/9/12月) | 年4回(3/6/9/12月) |
株価 | 108.21ドル※1 | 38.84 ドル※1 | 103.76 ドル※2 |
配当(分配金)利回り | 3.08%※1 | 4.60 %※1 | 4.04 %※2 |
経費率 | 0.06% | 0.07% | 0.08% |
設定日 | 2006年11月10日 | 2015年10月21日 | 2011年3月29日 |
では一つずつ比較していきましょう。
運用会社の比較
ティッカー(正式名称) | VYM(バンガード・米国高配当株式ETF) | SPYD(SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF) | HDV(iシェアーズ コア米国高配当株 ETF) |
運用会社 | Vanguard | STATE STREET | BLACK ROCK |
上記運用会社は、世界の三大運用会社ですので、ここに大きな差はありません。
どの運用会社も破綻等の心配は無く、今後も安定した運営が期待できます。
構成銘柄数の比較
ティッカー(正式名称) | VYM(バンガード・米国高配当株式ETF) | SPYD(SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF) | HDV(iシェアーズ コア米国高配当株 ETF) |
構成銘柄数 | 462銘柄 | 約80銘柄 | 75銘柄 |
VYMの銘柄数がダントツですね。
分散力を重視するなら、VYMが有力な候補になります。
配当時期の比較
ティッカー(正式名称) | VYM(バンガード・米国高配当株式ETF) | SPYD(SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF) | HDV(iシェアーズ コア米国高配当株 ETF) |
配当時期 | 年4回(3/6/9/12月) | 年4回(3/6/9/12月) | 年4回(3/6/9/12月) |
VYM、SPYD、HDV全て同じ年4回(3/6/9/12月)で、差はありませんね。
米国では個別株も一般的に年4回の配当を出す企業が一般的ですので、そういう個別株とも差がありません。
配当利回りの比較
ティッカー(正式名称) | VYM(バンガード・米国高配当株式ETF) | SPYD(SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF) | HDV(iシェアーズ コア米国高配当株 ETF) |
配当(分配金)利回り | 3.08%※1 | 4.60 %※1 | 4.04 %※2 |
配当利回りはSPYDが最も高いです。
目先の配当利回りを求めるなら、SPYDは有力な候補になり得ます。
経費率の比較
ティッカー(正式名称) | VYM(バンガード・米国高配当株式ETF) | SPYD(SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF) | HDV(iシェアーズ コア米国高配当株 ETF) |
経費率 | 0.06% | 0.07% | 0.08% |
経費率はどれも非常に安い水準ですので、差はありません。
設定日の比較
ティッカー(正式名称) | VYM(バンガード・米国高配当株式ETF) | SPYD(SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF) | HDV(iシェアーズ コア米国高配当株 ETF) |
設定日 | 2006年11月10日 | 2015年10月21日 | 2011年3月29日 |
VYMが最も歴史が長く、リーマンショック、コロナショックの2回の暴落を経験しているデータがあるのは有利な点です。
逆にSPYDは非常に歴史が浅いため今回のコロナショックが初めての暴落で、大きな値下がりに失望した方も多かったと思います。

基本的な違いはわかったけど、肝心の配当(分配)についてもっと詳しく知りたい!

では続いて配当(分配)利回り、増配率の推移を比較します。
VYM、SPYD、HDVの配当(分配)利回り、増配率の推移の比較
ここではVYM/SPYD/HDVの配当(分配)利回り、増配率、及び分配金の推移を、それぞれ重ね合わせたグラフで比較していきます。
配当(分配)利回り
VYM/SPYD/HDVのこれまでの年間配当(分配)利回りの数値及び推移です。
※配当利回り = 年間配当(分配) ÷ 年末株価 で計算しています

- 利回りはSPYD>HDV>VYM
- SPYDの利回りの高さが際立つ
配当(分配)増配率
VYM/SPYD/HDVのこれまでの年間増配率の数値及び推移です。

- 上記データの中では減配が無いVYMの安定感が際立つ
- SPYDは不安定さが大きい
- HDVは’20年のコロナショックでも大きく増配するが、’21年は反動で減配
配当(分配)金の推移
VYM/SPYD/HDVのこれまでの年間分配金の推移です。(増配を考慮)

- SPYDは基本は分配金額が一番大きいが、不安定さも大きい
- VYM、HDVは順調に右肩上がりで増加

利回りはSPYDが一番だけど、増配率が不安定だね

配当金だけじゃなくて、株価も合わせるとどうなるの??

では配当再投資込みのトータルリターンを比較しましょう
VYM、SPYD、HDVのトータルリターンの比較
VYM/SPYD/HDVの配当再投資込みのトータルリターンの推移を比較しました。(SPYD設定後の2016年以降)

- コロナショック前までは、SPYDの成績が優秀
- コロナショックでの下落率の低さ、回復でVYMの安定感が光る
- SPYDはコロナショックでの下落、低迷が大きかったが、’20/末頃から急回復し、HDVを抜く

配当再投資込みのトータルリターンだとVYMが一番なんだね

こんな違いが生まれるのは、構成セクターが影響しているのかな??

そうですね、構成セクターの違いも影響しています。
では続いて構成セクター比率も比較しましょう
VYM、SPYD、HDVの構成セクター比率の比較
VYM/SPYD/HDVを構成するセクター比率を比較します。
下記のグラフは、縦軸に3つ共同じ順番でセクターを並べ、比率を示しています。
(VYM:2023.6.30時点、SPYD/HDV:2023.7.31時点)

- どのETFも比率がばらばら
- 特にSPYDは不動産比率が多く、生活必需品、ヘルスケアが少ない ⇒ HDV、VYMは逆
どのETFも比率がばらばらということは、同時に保有することで相互補完した分散効果を得られるということです。
特にSPYDとHDVは下のようにセクター上位3銘柄の順番が被っていないので、両方を持つことで非常に相性の良い組み合わせになると考えられます。

VYMは一つのETFですでに400銘柄以上に分散され、さらにセクターもしっかり分散されています。

配当/株価だけではなく構成も見ることで、購入するETF、組合せを考えることが必要ですね

詳しくわかったけど、結局私はどれを買ったらいいの??
おすすめを教えて!!

では投資目的別のおすすめ銘柄をご紹介します
投資目的別のおすすめ銘柄はどれ?
まずはこれまでの結果を一覧にまとめます。
ティッカー | VYM | SPYD | HDV |
分散(構成銘柄数) | ◎ | 〇 | 〇 |
経費率 | ◎ | ◎ | ◎ |
配当(分配)利回り | △ | ◎ | 〇 |
増配率の安定性 | ◎ | △ | 〇 |
不況耐性 | 〇 | × | △ |
トータルリターン | ◎ | 〇 | △ |
それぞれ良い点、悪い点があるので、一概にこれが良いというものはありません。

どれがみなさんの投資目的に沿っているかを見極めることが重要です
ということで、各投資目的別のおすすめ銘柄をご紹介します。
とにかく目先の高い配当金が欲しい方
そんなあなたには「SPYD」がおすすめできます。
SPYDは、非常に高い配当(分配)利回りが特徴ですので、とにかく配当金が欲しいという方にはおすすめです。
ただし、同時に以下のポイントには注意が必要です。
- 増配率はバラツキが大きい
- 暴落時の下落率の大きさには覚悟が必要
長期で安定した増配、株価の上昇両方を取りたい方
そんなあなたには「VYM」がおすすめできます。
VYMは増配率の安定性、トータルリターンの高さどちらをとっても、おすすめできます。
ただし、同時に以下のポイントには注意がひつようです。
- 分配利回りは高くないので、目先の分配金は物足りなく感じることがある
SPYDでは安定感が心配、VYMでは分配利回りが物足りない方
そんなあなたには「HDV」がおすすめできます。
HDVは安定感も分配利回りもSPYDとVYMのちょうど中間の特性を持っています。
ただし、以下のポイントには注意が必要です。
- 安定感も、分配金もどちらも中途半端に感じる可能性も有る
- 直近5年間のトータルリターンではVYM、SPYD両方に劣っている
まとめ

本記事では、
- VYM、SPYD、HDVの基本情報の比較
- VYM、SPYD、HDVの配当(分配)利回り、増配率の推移の比較
- VYM、SPYD、HDVのトータルリターンの比較
- VYM、SPYD、HDVの構成セクター比率の比較
- 投資目的別のおすすめ銘柄はどれ?
について解説しました。
<VYM、SPYD、HDVの基本情報の比較>
- 分散度の高さ、配当(分配)利回り、ETF設定日に差がある
<VYM、SPYD、HDVの配当(分配)利回り、増配率の推移の比較>
- 分配利回り:SPYD>HDV>VYM
- 増配率:安定性はVYMが優秀
<VYM、SPYD、HDVのトータルリターンの比較>
- 直近のトータルリターンではVYM>HDV>SPYDの結果
<VYM、SPYD、HDVの構成セクター比率の比較>
- SPYDは不動産比率が多く、生活必需品、ヘルスケアが少ない ⇒HDV、VYMは逆
<おすすめ銘柄はどれ?>
- それぞれ一長一短があるため、どの銘柄を選ぶかは投資目的次第
3つのETFはそれぞれ特徴、強み、弱みが異なります。
配当(分配)利回りならSPYDが一番ですが、増配率の安定性、トータルリターンではVYMが一番等、万人に対してどのETFが良いということは言えません。
さらに構成するセクター比率も異なる為、迷うなら3つ共購入し、相互補完、分散させることが良いのではと考えています。
皆さんの投資目的に合った銘柄選定に、少しでも参考になれば嬉しいです。

最後までご覧頂きありがとうございました!
「VYM」、「SPYD」、「HDV」それぞれ個別の情報についても詳しくまとめていますので、合わせてご確認下さい👇
配当王、配当貴族といった米国の連続増配銘柄を以下の記事でまとめています。
良ければ参考にしてみて下さい。
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