本記事ではこんな疑問にお答えする為、VIG、VYMの2つについて徹底比較しました
VIG、VYMはどちらも米国のバンガード社が提供するETF(上場投資信託)です。
VIGは米国の10年以上連続で増配する銘柄で構成されていて、連続増配にフォーカスしたETFです。
それに対しVYMは3%前後程度の配当利回りがあり、高配当ETFの一つですが、増配も継続している安定感があります。
VIGとVYMは似ている点が多い為、どちらが良いか迷っている方も多いのではないでしょうか?
そういった疑問に対し、今回の記事ではVIGとVYMを徹底的に比較した上で、結局みなさんにはどちらがおすすめかについても、投資目的別に紹介します。
私は2019年から米国連続増配株をメインに投資しています
- 2019年資産約200万円程度→2023年資産2000万円達成
- 1億円貯めてセミリタイヤが目標
「VIG」、「VYM」それぞれ個別の情報についても詳しくまとめていますので、合わせてご確認下さい。
結論:[2024年最新]徹底比較:VIG×VYM(投資目的別でどちらがおすすめかも紹介)
まず最初に本記事でわかる結論からご紹介します。
VIGは「10年以上連続して増配の実績を持つ米国普通株」で構成されているのに対し、VYMは「大型株の中でも予想配当利回りが市場平均を上回る銘柄」を重点的に組入れされています。
その為、平均増配率はややVIGが高く、配当(分配)利回りはVYMが高い傾向です。
ただしどちらもバランスが良いETFなので、大きな欠点は見当たりません。
目先の配当(分配)利回りを求めるならVYMがおすすめですが、トータルリターンを求めるならVIGが上回る傾向があります。
また、VIG、VYMは新NISAの成長投資枠でも購入可能です。(つみたて投資枠は対象外)
では基本情報から比較していきましょう。
VIG×VYMの基本情報の比較
VIG、VYMの基本的な情報は下記です。
ティッカー(正式名称) | VIG(バンガード・米国増配株式ETF) | VYM(バンガード・米国高配当株式ETF) |
運用会社 | Vanguard | Vanguard |
ベンチマーク | S&P USディビデンド・グロワーズ・インデックス | FTSE ハイディビデンド・イールド指数 |
構成銘柄数 | 340銘柄※1 | 557銘柄※1 |
ファンド純資産 | 789.9億ドル※1 | 548.2億ドル※1 |
配当時期 | 年4回(3/6/9/12月) | 年4回(3/6/9/12月) |
株価 | 176.91ドル※2 | 111.97ドル※3 |
配当(分配金)利回り | 1.84%※2 | 2.97%※3 |
経費率 | 0.06% | 0.06% |
設定日 | 2006年4月21日 | 2006年11月10日 |
では主要なポイントについて一つずつ比較していきましょう。
ベンチマークの比較
ティッカー(正式名称) | VIG(バンガード・米国増配株式ETF) | VYM(バンガード・米国高配当株式ETF) |
ベンチマーク | S&P USディビデンド・グロワーズ・インデックス | FTSE ハイディビデンド・イールド指数 |
VIGは「S&P USディビデンド・グロワーズ・インデックス」をベンチマークとしていて、10年以上連続して増配の実績を持つ米国普通株で構成され、増配の可能性が低い銘柄は除外されています。
それに対してVYMは「FTSE ハイディビデンド・イールド指数」をベンチマークとしていて、大型株の中でも予想配当利回りが市場平均を上回る銘柄を重点的に組入れしています。
構成銘柄数の比較
ティッカー(正式名称) | VIG(バンガード・米国増配株式ETF) | VYM(バンガード・米国高配当株式ETF) |
構成銘柄数 | 340銘柄※1 | 557銘柄※1 |
どちらも300銘柄以上で構成していて、分散は十分だと考えられます。
しかしVYMは557銘柄と非常に幅広い分散をしている為、分散を重視するならVYMにはメリットがあるといえます。
配当利回りの比較
ティッカー(正式名称) | VIG(バンガード・米国増配株式ETF) | VYM(バンガード・米国高配当株式ETF) |
配当(分配金)利回り | 1.84%※2 | 2.97%※3 |
現状の配当利回りはVYMの方が高いです。
目先の配当利回りを求めるなら、VIGに対してVYMに優位性があります。
ただし長期目線での配当を求めるなら、増配率の差も考慮した比較が必要です。
経費率の比較
ティッカー(正式名称) | VIG(バンガード・米国増配株式ETF) | VYM(バンガード・米国高配当株式ETF) |
経費率 | 0.06% | 0.06% |
経費率はどちらも非常に安く、差はありません。
設定日の比較
ティッカー(正式名称) | VIG(バンガード・米国増配株式ETF) | VYM(バンガード・米国高配当株式ETF) |
設定日 | 2006年4月21日 | 2006年11月10日 |
どちらも歴史が長く、リーマンショック、コロナショックの2回の暴落を経験しているデータがあり、同様の期間での比較が可能です。
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基本的な違いはわかったけど、肝心の配当(分配)についてもっと詳しく知りたい!
では続いて配当(分配)利回り、増配率の推移を比較します。
VIG、VYMの配当(分配)金の比較
ここではVIG、VYMの
- 配当(分配)利回り
- 配当(分配)増配率
- 配当(分配)金の過去推移
について、それぞれ重ね合わせたグラフで比較していきます。
※ETFや投資信託などの配当金のことは「分配金」と呼ばれています。
配当(分配)利回り
VIG、VYMのこれまでの年間配当(分配)利回りの数値及び推移です。
※配当利回り = 年間配当(分配) ÷ 年末株価 で計算しています
- 利回りはどの期間でもVYMの方が高い
- おおよその利回りレンジはVYM:3%前後、VIG:2%前後程度
配当(分配)増配率
VIG、VYMのこれまでの年間増配率の数値及び推移です。
- 年毎に増配率の上下関係は異なる
- 上記期間での平均はVIG:+8.9%、VYM:+8.4%
配当(分配)金の推移
VIG、VYMのこれまでの年間分配金の推移です。(増配を考慮)
- VIG、VYM共に順調に右肩上がりで増加
- 分配金額はどの年度でもVYMの方が多い
VIGの増配率はもっと高いのかと思ったけど、思ったより差が無いんだね
配当金だけじゃなくて、株価も合わせるとどうなるの??
では配当再投資込みのトータルリターンを比較しましょう
トータルリターンの比較
ここでは
- VIG、VYMのトータルリターンの比較
- S&P500とVIG、VYMのトータルリターンの比較
について紹介します。
VIG、VYMのトータルリターンの比較
VIG、VYMのトータルリターンの推移を比較しました。
VIG、VYM設定後の2007年から2024年3月末までの期間で、配当再投資込みでの比較です。
- VIGの方がVYMよりトータルリターンで上回る
S&P500、VIG、VYMのトータルリターンの比較
S&P500に連動するETFであるSPYとVIG、VYMのトータルリターンの推移を比較しました。
VIG、VYM設定後の2007年から2024年3月末までの期間で、配当再投資込みでの比較です。
- VIGとS&P500はほぼ同等、VYMはやや下回る
トータルリターンだとVIGの方が上なんだね!
こんな違いが生まれるのは、中身の違いが影響しているのかな??
そうですね、構成銘柄の違いも影響しています。
では続いて構成銘柄を比較しましょう
VIG、VYMの構成銘柄の比較
VIG、VYMを構成する銘柄の内、構成比率上位10銘柄を比較します。(2024.3.31時点)
VIG | VYM |
---|---|
マイクロソフト(MSFT) | JPモルガンチェース(JPM) |
アップル(AAPL) | ブロードコム(AVGO) |
ブロードコム(AVGO) | エクソンモービル(XOM) |
JPモルガン・チェース(JPM) | ホーム・デポ(HD) |
エクソンモービル(XOM) | プロクター・アンド・ギャンブル(PG) |
ユナイテッドヘルス・グループ(UNH) | ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ) |
ビザ(V) | メルク・アンド・カンパニー(MRK) |
マスターカード(MA) | アッヴィ(ABBV) |
ホーム・デポ(HD) | シェブロン(CVX) |
プロクター・アンド・ギャンブル(PG) | バンク・オブ・アメリカ(BAC) |
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かぶってる銘柄もあるけど、順番はばらばらだね。
これだけだとよくわからない。。。
では構成セクター比率で比較してみましょう
VIG、VYMの構成セクター比率の比較
VIG、VYMを構成するセクター比率を比較します。
下記のグラフは、縦軸に2つ共同じ順番でセクターを並べ、比率を示しています。
(VIG、VYM共に2024.3.31時点)
- VIGはVYMに対して情報技術が多く、エネルギーが少ない
それぞれの構成比率が高いセクターの将来性をどう考えるかが、どのETFを選ぶかの重要なポイントになりますね
詳しくわかったけど、結局私はどれを買ったらいいの??
おすすめを教えて!!
では投資目的別のおすすめ銘柄をご紹介します
投資目的別のおすすめ銘柄はどっち?
まずはこれまでの結果を一覧にまとめます。
ティッカー | VIG | VYM |
分散(構成銘柄数) | 〇 | ◎ |
経費率 | ◎ | ◎ |
配当(分配)利回り | △ | 〇 |
増配率の高さ | ◎ | 〇 |
不況耐性 | 〇 | 〇 |
トータルリターン | ◎ | 〇 |
どちらもバランスが良いETFなので、大きな欠点は見当たりません。
ただ、2つを比較した際に少しずつ優劣がつくので、そのポイントをご紹介します。
どちらがみなさんの投資目的に沿っているかを見極めることが重要です
ということで、各投資目的別のおすすめ銘柄をご紹介します。
目先の配当金が欲しい方
そんなあなたには「VYM」がおすすめできます。
VIGと比較すると、VYMは高い配当(分配)利回りが特徴ですので、目先も含めた配当金が欲しいという方にはおすすめです。(配当(分配)利回りの比較はこちら)
ただし、高配当ETFには他にも「SPYD」、「HDV」もあるので、目先の高配当を求めるならそれらも検討の候補に加えてみてもいいのではないでしょうか。
以下の記事でVYM/HDV/SPYDの3つを比較しています。
増配率を重視して、将来的な配当を重視したい方
そんなあなたには「VIG」がおすすめできます。
2011年からの平均はVIG:+8.9%、VYM:+8.4%で、若干ですがVIGの増配率が高い結果になりました。(増配率の比較はこちら)
差は小さいですが、VIGは「10年以上連続して増配の実績を持つ米国普通株」で構成されている為、将来に渡っても安定して高い増配率が期待できると考えられます。
ただしVYMは2011年以降で減配の年は無しで非常に優秀な成績持っていますので、差は大きくはないと言えます。
配当も欲しいけど、トータルリターンも重視したい方
そんなあなたには「VIG」がおすすめできます。
VIGはVYMに対してトータルリターンで上回る記録を残していて、S&P500と同等のトータルリターンの記録もあります。(トータルリターンの比較はこちら)
VIGとS&P500とのトータルリターンの比較は以下の記事で紹介していますので、参考にしてみて下さい。
情報技術セクターに期待する方
そんなあなたには「VIG」がおすすめできます。
VIGはマイクロソフトをはじめとする情報技術セクターが構成セクターの中で最大の割合を占めています。(構成セクターの比較はこちら)
配当金も欲しいけど、今後この情報技術セクターが伸びていくことを期待するなら、VIGがおすすめ出来るのではないでしょうか。
よくわかった!自分に合う方を買ってみるね!
でもVIGとVYMはどうやって買えばいいの?
ではVIG、VYMの買い方を紹介します
VIG、VYMの買い方
VIG、VYMを買う手順は以下の流れです。
VIG、VYMを購入する為には、まずVIG、VYMを扱っている証券口座を開設する必要があります。
また外国株なので、口座開設時に外国株式口座も同時に申し込んでおきましょう。
あとは入金、買い付け注文をするだけで簡単に購入できます。
ただし口座開設は窓口では行わず、手数料が低いネット証券がおすすめです。
VIG、VYMが購入できるおすすめのネット証券
VIG、VYMを取り扱っている中でも、おすすめのネット証券会社は、以下のとおりです。
SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 | |
取引 手数料 | 約定代金の0.495% (最低0円、上限22ドル) | 約定代金の0.495% (最低0円、上限22ドル) | 約定代金の0.495% (最低0円、上限22ドル) |
為替 手数料 | 買付:0銭 売却:0銭 | 買付:0銭 売却:0銭 | 買付:0銭 売却:25銭 |
米国取扱銘柄数 | 約5,600銘柄 | 約4,900銘柄 | 約5,000銘柄 |
特定口座/ NISA口座 | 〇 対応 | 〇 対応 | 〇 対応 |
取引ツールの使いやすさ | シンプルでわかりやすい取引画面 | シンプルでわかりやすい取引画面 | 玄人好みで豊富な機能の取引画面 |
口座開設 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
3社共にVIG、VYMだけではなく、数多くの米国株を取り扱っています。
また、取引手数料には差は無く、どれも低い水準です。
さらに、為替手数料はどれも買付時は手数料0銭で、SBI証券、楽天証券は売却時も含めて0銭の設定でコストを抑えることが可能です。
ただし、マネックス証券は情報量が多く、「銘柄スカウター」という機能でしっかりと情報を確認して銘柄選定をすることが可能です。
各証券口座の比較は以下の記事で詳しく紹介しています。
VIG、VYMは新NISAでも買える
VIGとVYMは新NISAの成長投資枠でも購入できます。
なお、つみたて投資枠ではVIG、VYMは購入できません。
つみたて投資枠は原則として投資信託商品を対象としていて、海外ETFは投資対象に含まれていないからです。
VIGとVYMは新NISAでも買えるんだね!
ちなみにVIGとVYMはETFだけど、代わりになる投資信託はないの?
ではVIG、VYMの代用になる投資信託を紹介します
VIG、VYMの代わりになる投資信託
VIG、VYMはそれぞれ以下の投資信託でも代用は可能です。
ただし、いずれの信託報酬もETFの経費率よりも高い割合になる点に注意が必要です。
VIGの代替投資信託
銘柄名 | 信託報酬 | 純資産総額 |
SBI・V・米国増配株式インデックスファンド | 0.1238% | 75億円 |
VYMの代替投資信託
銘柄名 | 信託報酬 | 純資産総額 |
SBI・V・米国高配当株式インデックスファンド | 0.1238% | 279億円 |
楽天・米国高配当株式インデックスファンド | 0.192% | 179億円 |
まとめ
本記事では、
- VIG、VYMの基本情報はどう違うの?
- VIG、VYMの配当金(利回り、増配率)は?
- VIG、VYMのトータルリターンは?
- VIG、VYMの構成銘柄の違いは?
- VIG、VYMの構成セクター比率は?
- 投資目的別のおすすめ銘柄はどっち?
- VIG、VYMはどうやって買えばいいの?
- VIG、VYMの代わりになる投資信託はある?
について解説しました。
VIGは「10年以上連続して増配の実績を持つ米国普通株」で構成されているのに対し、VYMは「大型株の中でも予想配当利回りが市場平均を上回る銘柄」を重点的に組入れされています。
その為、平均増配率はややVIGが高く、配当(分配)利回りはVYMが高い傾向です。
ただしどちらもバランスが良いETFなので、大きな欠点は見当たりません。
目先の配当(分配)利回りを求めるならVYMがおすすめですが、トータルリターンを求めるならVIGが上回る傾向があります。
また、VIG、VYMは新NISAの成長投資枠でも購入可能です。(つみたて投資枠は対象外)
皆さんの投資目的に合った銘柄選定に、少しでも参考になれば嬉しいです。
最後までご覧頂きありがとうございました!
「VIG」、「VYM」それぞれ個別の情報についても詳しくまとめていますので、合わせてご確認下さい。
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